「技術」と「技能」を混同していませんか? 違いを解説します
「科学技術立国日本」などといいますが、この「技術」という言葉を正しく理解している人は少ないのが現状です。
特に、「技能」という言葉と混同している例がよく見られます。
「技術」とは?
技術は英語の「Technology」を訳した言葉です。
1. The application of scientific knowledge for practical purposes, especially in industry.
訳) 特定の目的、特に工業における科学の知識の応用
と出てきます。
「科学の(Scientific)」ということは、普遍的なものである、ということです。
科学は、世界の普遍的な原理を明かすことが目的なので、
人によって結果が異なる、ということは認められません。
誰がやっても同じにならなければ、普遍的な原理ではないのです。
小保方さんのSTAP細胞が反例です。
また、「知識の応用」ですので、これは能力ではありません。
人によらず普遍的なもの、能力ではない、という2点から、
「技術=Technology」は属人的なものではない、ということがわかります。
「技能」とは?
技能は英語で「Skill」にあたる言葉です。
同様に、Oxfordの辞書で調べると、
The ability to do something well
訳) 何かを上手に行う能力
となっています。
技術と違って、明確に「能力」と書かれています。
能力は個々人が獲得するものですから、
「技能=Skill」は属人的なものです。
ちなみに、もう1つ「技巧=Technique」という言葉もありますが、
これはSkillよりも細かく見た範囲に使われます。
例文として、「リオネル・メッシは数々のドリブルテクニックを駆使して、
敵を抜いてゴールを取る技能(=スキル)を持っている」という感じになります。
これが「ゴールを取る技術(=テクノロジー)を持っている」というと、間違いになります。
まとめ
「技術」と「技能」の違いは分かりましたでしょうか?
まとめると以下のようになります。
- 技術
- ある事柄を達成するための知識、知識体系
- 科学(Science)に基づく
- 属人的ではない
- 技能
- ある事柄を達成するための能力
- 経験に基づく
- 属人的である