生産性向上ってなんだろう?
長時間労働が常態化している金融業では、
昨今の働き方改革のうち、高度プロフェッショナル制度の注目度が高くなっています。
残業代が払われないことにより、業務時間中に「生産性向上」が見込める、という理屈です。
とはいえ、この「生産性」というものが何なのか、ちゃんと考えている人は少ないのでしょうか。
生産性の定義にはいろいろありますが、基本的には、
(生産性) = (はたらいて生み出した価値) / (会社にいる時間)
となります。
さらに、会社にいる時間すべてが労働しているわけではないので、
(会社にいる時間) = (本当に働いている時間) + (無駄な時間)
となります。
この2式をまとめると、
(生産性) = (はたらいて生み出した価値) / {(本当に働いている時間) + (無駄な時間)}
となります。
ここで、働いて生み出す価値を増やす、というのは非常に難しいものです。
一朝一夕にできることではありませんし、労働者の「働き方」改革の範疇には収まらず、
経営者による「ビジネスモデル」改革をやる必要があります。
したがって、働き方改革の文脈で「生産性向上」と言ったとき、
分母の{(本当に働いている時間) + (無駄な時間)}のうち、
(無駄な時間)を減らすことしかできません。
よって無駄な時間を減らすことに注力するべきです。
「働き方改革を行う!」と言われたとき、
新たに〇〇をやる、ということばかり考える人間はセンスがありません。
足し算しか知らないので、引き算の発想がないのです。
まずはやめることを決めるべきです。