資本主義経済は「良い」システムか?
金融業で働いていると特に感じることなのですが、
資本主義が「良い」システムだと思っている人は多いです。
冷戦で社会主義経済に勝利したので、資本主義が「絶対的に良い」と思っています。
ただその一方で資本主義が万能でないことも、彼らは当然知識として知っています。
環境問題などの外部不経済、独占・寡占化といった
市場システムそのものの限界もありますし、
利益を追求することによるカルテルや談合、
不正会計といった倫理に悖る行動を人間にさせてしまうこともあります。
こういった「知識」はある人は多いけれど、
ただ暗記しているだけで理解が足りない人は、
基本的に「知識や常識を疑う」ということができません。
疑うことをしないで盲信すると
「社会主義に勝利した資本主義は絶対的に良いものだ」という固定観念から抜け出せません。
現時点の歴史からは言えるのは、
「社会主義経済に対して比較的良かった」ということだけです。
もしかしたら、
「資本主義経済よりも良い経済システムはあるかもしれないが、人類はまだ発明できていない。」
という考え方もできるかもしれません。
私としては、
人間の欲望を押さえつける社会主義も、
欲望を増幅させ続ける資本主義も、
どちらも人間と欲望の付き合い方としては不完全だと思っています。