労働者が無理に経営者と同じ考えを持つ必要はありません。
会社という組織にいると、特に意識高い人たちが集まる企業では
- 「経営者としての目線を持って仕事しろ」
- 「危機感を持て」
という言葉を、一介の労働者に言うところが多いです。
また、世の中の成功者の迷言として、
- 「死ぬ気でやれ」
- 「限界と思ったところから2割増しに目標を作れ」
といった言葉もよく聞きます。
ただ、ぶっちゃけた話、無理に納得する必要はまったくありません。
なぜなら、「会社という組織内で、経営者と労働者では役割が違うから」です。
役割が違うのであれば、求められる覚悟も違う
自分で会社の舵取りの意思決定をする経営者と、そこに雇われている労働者では、
当然、役割も違いますし、報酬体系も異なります。
労働者は月給や年俸がある程度決まっていて、労働時間として拘束される代わり、簡単にはクビになりません。
対して経営者は、役員報酬などを特にオーナー企業であれば自由に決めることができますが、
結果が出なければすぐに解任される厳しい環境です。
このように経営者と労働者では働く前提となる条件がまるっきり異なります。
もちろん、将来的に自分が会社内で出世して経営層になりたい、とか、起業して独立したい、とかであれば、
そのような考えが将来的に必要になってくることを覚えていても良いでしょう。
そうでない人は、自分には合わないな、と思ったら言われても流しておいたほうが良いです。
いわゆる「やりがい搾取」されてしまいます。
役割が違う人間を集めてチームを作る
ブラック企業の経営者として有名になってしまった渡邉美樹氏の言葉
(「目標は、自分の限界の2割増しに設定する」「無理というのは嘘つきの言葉」)は、
自分と同じ経営者(コピー)を作ろうとしているように見えます。
ただ、野球でもサッカーでもチーム内ではポジションが違うし、ポジションごとに求められる役割も違います。
同様に、会社に自分と同じ役割を持った人間を作ろうとしても意味がありません。
そもそも、事業を始めて大きくなったときに会社を作ったのは、
役割分担をしてチームを作るために会社を作ったはずです。
労働者としては、経営者のコピーになる必要はありません。