サンクコスト(埋没費用)と所有コストを認識して、捨てる決断を!
モノを大切にして長く使うことは大事なことですが、
「せっかくお金を出して買ったのにもったいない」と考えて捨てられないのもよくありません。
どんなモノでも、
- 今までかけたコスト=サンクコスト(埋没費用)
- 所有しつづけるためにかかるコスト
がかかります。
これらをしっかり認識して、勇気を持って捨てる決断が必要です。
サンクコスト(埋没費用)とは
Wikipediaで調べると、以下のように出てきます。
埋没費用(まいぼつひよう、英: sunk cost 〈サンクコスト〉)とは、
事業や行為に投下した資金・労力のうち、
事業や行為の撤退・縮小・中止をしても戻って来ない資金や労力のこと
要は「すでに支払ったお金で、どうやっても取り戻せないもの」です。
有名な例は、Wikipediaにもあるつまらない映画です。
問題:「2時間の映画のチケットを1800円で買った。映画を観始めた10分後に映画がつまらないと感じられた。その映画を観続けるべきか、それとも途中で映画館を退出するべきか」
- 映画を観続けた場合:チケット料金1800円と上映時間の2時間を失う。
- 映画を観るのを途中でやめた場合:チケット代1800円と退出までの上映時間の10分間は失うが、残った時間の1時間50分をより有効に使うことができる。
このように、チケット代の1800円はどうやっても取り戻せないので、サンクコスト(埋没費用)になります。
なので、「残り1時間50分をつまらない映画に費やすか、別の使い方をするか」という観点で判断するべき、となります。
「払った1800円がもったいない」と思いがちですが、映画がつまらなかったなら、映画館を退出したほうが合理的なのです。
モノを所有するためにかかるコスト
お金や時間は失うことがわかりやすい例ですが、モノにおいても最初に買ったときにかかるコストのほか、
所有し続けるためには、お金だけでなくいろいろなコストが発生します。
モノを自分の部屋に置いたなら、その分の場所代がかかります。
メンテナンスのために自分の時間が奪われます。
「自分が所有している」ということを覚えていないといけないので、頭も使います。
身の回りにモノが多い人は、知らず知らずのうちに頭を使って疲れています。
海外旅行など、荷物が多いと疲れますよね?
余談 廃棄するためにかかるコスト
余談になりますが、モノは捨てるためにもコストがかかります。
代表的な例はごみ収集にかかる費用になりますが、中古品として売る場合も
- メルカリなどで売るなら、メルカリで登録して商談し発送するまでの労力
- ハードオフに持っていくにも、労力やハードオフまでの交通費
といったコストがかかってきます。
大きな例だと、鉄道の赤字路線が挙げられます。
毎年赤字を出している路線がすぐに廃止されるとは限らないのは、
廃止するためにかかる費用(設備の撤去や住民への補償など)が、毎年の赤字額よりもかなり高額になるためです。
なので、モノは購入→所有→廃棄までのライフサイクルの間、常にコストがかかります。
「不必要なものは最初から買わない」のが最善となります。
まとめ
人間はどうしても失うことを恐れますので、一見非合理な行動を取ってしまいがちです。
- 取り返せない費用はあきらめて、早めに方向転換すること
- モノを所有するだけでもいろいろなコストが発生していること
を認識して、勇気ある決断をしたいですね。