「問題」と「課題」の違いを意識しましょう
私が新卒で入ったメーカで、最初の上司に以下のことを教わりました。
- 「問題」と「課題」は違うもの
- 同じ問題に対しても、人によって課題の立て方は変わってくる
- 仕事では解決方法そのものよりも、課題をどう設定したかを重点的に説明するべし
それまで問題と課題の違いなど意識したことはありませんでしたが、
上司から教わって目から鱗が落ちました。
「問題」と「課題」とは?
まず、問題と課題の定義から説明します。
- 「問題」・・・理想や目標とする状態と、現状との乖離・ギャップ
→ 問題には「事実」のみが入ります。
例) 自動車事故による死者数が多い、収入に対して支出が多い、etc. - 「課題」・・・問題を解決するために、何をするか、どのようなアプローチをとるか
→ 課題には「〇〇する」「〇〇させる」という言葉が入ります
例) 自動運転を実用化させる、会社での成績を伸ばして収入を伸ばす、etc
上記のように、「問題」と「課題」は違うのですが、
「問題は事実、課題はこれからやること」と覚えておくと良いです。
同じ問題に対して違う課題が設定される例
問題と課題の違いをわかりやすくするために、同じ問題に対して違う課題が立てられる例を上げてみます。
例えば、上記の「自動車事故による死者が多い」という問題に対してですが・・・
- 自動車メーカの技術者なら・・・
- 課題「自動運転を実用化する」
- 課題「車体の衝突安全性を向上させる」
- 土木建築をやるひとなら・・・
- 課題「道路の舗装を改良する」
- 行政なら・・・
- 課題「交差点の構造や信号機を改良する」
- 課題「運転免許更新時の講習内容を改善する」
- 課題「違反時の罰則を強化する」
などのように、同じ問題に対しても、課題の設定の仕方はいろいろ出てきます。
説明で重要なのはやったことそのものよりも「問題」と「課題」
ついつい、自分の仕事の内容を上司に報告したり、書類にまとめたりするときに、
「自分がやったこと」を中心に説明してしまいますが、
見る人にとって重要なのは、「何故この仕事をやろうとしたのか」です。
「問題」と「課題」をしっかり書けば、「なぜこの仕事をやろうとしたのか」がわかります。
逆に、ここをしっかり説明しておかないと、
問題じゃないところを問題視したり、
課題設定をミスって見当違いの方向に仕事を進めてしまうリスクがあります。
仕事をすすめる方向を間違ってしまうと、まるまる時間が無駄になってしまいます。
どんなに「やったこと」が素晴らしくても、無意味です。
まとめ
- 問題と課題の違いは、「問題は事実のみ、課題はこれからやること」
- 同じ問題に対しても、人によって課題は異なる
- 他人には「問題」と「課題」をしっかり説明しましょう
この「問題」と「課題」の違いを抑えることは、会社の中のみならず、
日々の生活でも役に立ちます。
ぜひとも習得しましょう。