新卒で日系大企業に就職するメリットとデメリット
私は大学院終了後、新卒で日系の大手メーカに就職しました。
3年間働いた後、適応障害で1年半休職、その後転職してしまいましたが、
私のように新卒で日系の大企業を選ぶのもいくつかメリットがあります。
メリット
新卒一括採用、年功序列賃金、転勤など、最近では悪く言われることも多い日本企業の文化ですが、
体験してみるとそれなりに良さもあるのが理解できます。
同期入社という友人が得られる
同期入社という概念があり、同期入社の人同士で仲良くやる、
先輩・後輩の関係で面倒を見る、というのも新卒一括採用という制度のおかげです。
このように、職場の同僚=友人となります。
働き始めてすぐに友人ができるのは日本企業の良い点です。
過去の日本企業の強さ・良さが分かる
私の勤めていた工場では、私のような大卒、院卒のホワイトカラーだけではなく、
高卒を中心としたブルーカラーの人たちもたくさん働いています。
むしろ人数としてはブルーカラーの人のほうが多いです。
そういったブルーカラーの人たちの能力の高さ、まじめさが
日本のものづくりを支えてきたことを実感できると思います。
福利厚生が良い
額面の給料は外資系企業に負けるのですが、工場は地方にあるので東京よりも物価が安い上、
寮があったり、自動車購入にも補助が出たりと、可処分所得は結構多くなります。
また病院や運動場などの施設も充実しています。
私が適応障害で1年半も休職できたのも、メンタル不調への福利厚生制度が整っていたおかげです。
デメリット
反対に、見方を変えればデメリットにもなります。
集団行動を強いられる
入社年次ごとにしなければならない仕事が決まっていたり、
就業時間外でも職場ごとに半強制参加のイベントがあったりします。
私の勤めていた会社でも、主に労働組合関連でソフトボール、バレーボール、綱引き、駅伝があり、
それに少なくとも新入社員は参加が義務でした。
私の場合、長距離走が速かったこともあり、駅伝への練習参加が義務となったのが嫌でした。
私は一人で淡々と走ったりするのが好きだったのですが、
そこにタイムや集団への貢献を求められるのは苦痛でした。
価値観が古く、なかなか変わらない
これも良い点の裏返しでもありますが、自動車所有が前提の通勤や集団行事への参加、
35歳までに結婚して独身寮を出て社宅に移る、など、古臭い点は否めません。
同じような価値観を持つ人が集まっているので、世界にはもっと多様な人がいて
多様な価値観があることになかなか気づけなかったりします。
新卒にしか門戸が開けていない
これが私が新卒のときに日系メーカを選んだ最大の理由ですが、
日系の大企業というのは人材を自前で育成することを主義としているので、
中途採用で入社する、という選択肢がほとんどありません。
その点、外資系やベンチャー企業だと中途でも入る、という選択ができます。
なので、「新卒で日系大企業に就職→外資系企業に転職」という道はあるのですが、
逆の「外資系企業に新卒で就職→日系大企業に中途で転職」という道はかなり狭いのです。
まとめ
今の時代に合うかどうかと、その人に合うかどうかは疑問ですが、
高度経済成長時代からバブル期までの日本を支えた日本の企業には良い点がたくさんあります。
私のように、明確にやりたいこと、なりたいものがない場合は、
のちのちの選択肢を増やすために、新卒では日系企業を選ぶのも良いと思います。
合わなければ私のように適応障害になる前に、
無理せず環境を変えてまたチャレンジしましょう。